医療法人の事業承継 その1~高齢化する医療機関経営者の現状~

〇 わが国の医療機関の現状

 厚生労働省が行っている医療施設動態調査によると、平成30年10月末現在、病院は8,365施設、  そのうち医療法人が開設した施設数は5,756施設(全体の68.8%)であります。          また、医科診療所は全国に102,163施設、そのうち個人立及び医療法人立の施設数が        合わせて84,314施設(全体の82.5%)であり、わが国の病院・診療所は医療法人を中心とした    民間医療機関が担っているといえます。

〇 高齢化する医師の状況

 厚生労働省が2年に1度実施している医師・歯科医師・薬剤師調査によると、民間医療機関の    開設者及び代表者が高齢化していることが、下記のグラフで見て取れます。病院の代表者は平成6年頃 から既に60歳を超えており、年々右肩上がりで平均年齢が上がってきています。診療所の代表者は  平成20年頃までは横ばいでしたが、平成24年頃から60歳を超え、その後は病院代表者と同様、    右肩上がりとなっております。

〇 最後に

 こうした医療機関経営者の高齢化の背景には、事業承継の悩みを抱えつつも地域の患者のことを  考慮すると引退はまだできないといった現状が経営者の高齢化に拍車をかけていると考えられます。 事業承継が円滑に進まなければ、地域から医療機関が消滅し、地域医療の提供体制に深刻な影響を  与えることとなります。わが国では、円滑な医業承継対策として様々な施策を設けています。    次回ではその施策について解説していきます。

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